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著作権者の許諾なく著作物について前記著作権に列挙された支分権に抵触する行為(例えば書籍について複製等)を行うと、著作権の制限に該当する場合を除き、著作権の侵害に該当し、民事責任(差止請求、損害賠償請求)を負うほか、場合によっては刑事罰(懲役、罰金)の対象となります。
しかし、著作権侵害を上記行為に限定すると、著作権者の利益が十分保護されないことから、著作権法では、上記禁止行為以外の一定の行為も著作権の侵害行為とみなすことしています。
このように拡大された著作権侵害(行為)をみなし侵害(行為)といいます。
以下、「みなし侵害」に該当する行為について説明します。
頒布目的で、輸入の時に国内作成したと仮定すれば侵害複製物となるものを輸入する行為です。実質的に違法複製物が国内に入らないように水際で防止するためのものです。
著作権等の侵害品(海賊版)であることを知りながら、頒布、頒布目的で所持、頒布の申出、業として輸出・輸出目的の所持をする行為が該当します(前記「著作権の内容の『(8) 譲渡権』」参照)。
知った時点については、入手する時点では海賊版と知らなかったとしても、その後知った場合も該当します。
「業として」とは、営利目的の有無を問わず、反復継続して行われる行為が該当し、税関における水際取り締まりを目的としています。
「リーチサイト・リーチアプリ」とは以下のサイト・アプリをいい、漫画・雑誌などの海賊版コンテントの被害が膨大(例えば、「漫画村」では約3,000万円(権利者団体による調査・推計))のほか、写真集、文芸書、専門書等、分野を・種類をかかわらず被害が多いことから、令和2年著作法改正により導入されたものです(後記(4)項も同趣旨)。
① 違法にアップロードされた著作物(侵害コンテンツ)のサイト(海賊版サイト)に公衆を殊更に誘導するウエブサイト・アプリ
② 主として公衆による侵害コンテンツの利用を目的としたウエブサイト・アプリ
これらの行為において、侵害著作物等であることを知っていた場合又は故意・過失がある場合が該当します。また、これらの行為が行われている場合に、侵害コンテンツ利用容易化防止化措置が技術的に可能であるにもかかわらず、防止化措置を行わない場合も該当します。
ただし、自ら直接的にリーチサイト運営行為、リーチアプリ提供行為を行なっていない「プラットフォームサービス提供者」は除外されますが、著作権者等からのリンク削除要請を正当な理由なく相当期間放置している場合などはみなし侵害に該当します。
なお、「プラットフォーム」とは、リーチサイトを含む相当数の一般的なウェブサイトを包括している汎用的なウェブサイトをいい、例えば、ユーチューブの特定のチャンネルがリーチサイトに該当する場合のユーチューブ全体を管理するGoogleが該当します。
音楽、映像だけでなく著作物全般について私的使用目的のダウンロードであっても侵害とみなされます。
ただし、下記のもの又は場合のダウンロードは除外されます。
①「軽微なもの」
例えば、以下のようなものが該当し、侵害とはなりません。
・数十ページの漫画の1コマ〜数コマ程度
・長文の論文等の1行〜数行
・数百ページの小説の1ページ〜数ページ
・低画質でそれ自体では鑑賞に堪えない粗い画像(例えば、サムネイル画像)
② 二次創作・パロディー
二次創作者等が、原作品の著作権者の許諾なく(違法に)アップロードした二次著作物が該当し、侵害とはなりません。
なお、二次創作等の原著作物に対しては侵害とはなりませんが、第三者が二次創作物を二次創作者等の許諾なく(違法に)アップロードされたものである場合は、二次創作者の権利を直接侵害しているため、違法となることに留意する必要があります。
③ 著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある場合
④ 重過失によって違法コンテンツであることを知らなかった場合
「業務上」とは、営利・非営利を問わず、反復して行う事業であり、企業に限らず、学校や行政機関、個人事業も含みます。
複製プログラムには、みなし侵害に該当する輸入行為による複製プログラム(前記1項)およびその所有者により私的使用目的のために複製されたバックアッププログラムに加えて、侵害プログラムの所有者が私的使用目的のためにバックアップ用として作成した複製プログラムも含みます。
ただし、技術的利用制限手段に係る研究又は技術の開発の目的上正当な範囲内で行われる場合その他著作権者等の利益を不当に害しない場合は除外となります。
いわゆるライセンス認証などを回避するための不正なシリアルコードを販売、貸与等する行為が該当します。
権利管理情報について下記の行為をすることが該当します。
国内流通秩序維持のため、韓流レコードの規制のためです(前記「著作権の内容の『(8) 譲渡権』」参照)。
ただし、国内頒布目的商業用レコードの頒布による利益が不当に害される場合、国内頒布目的商業用レコードが国内で最初に発行された日から4年を経過した場合は除外となります。
このような行為は、著作者人格権を侵害する行為とみなされ、著作者の人格的利益が手厚く保護されています。