著作権(著作財産権)

ホーム参考情報著作権とは >著作権(著作財産権)


・目次をクリックすると、本章に含まれる項目の表示・非表示ができます。

1.著作権の内容

 著作権は、他人に対して、許諾がなければ自己の著作物の「所定の利用・使用行為」を禁止できるという権利です。裏返して言えば、著作者以外の者は、その著作者の許諾がなければ、著作物の所定の利用行為を行うことができません。
 著作権は、英語で”copyright”というように、本来的には、著作者以外の者が、許諾を得ずに複製することを禁止する権利ですが、それでは、著作物の種類によっては著作者の権利が十分保護できないため、著作物の種類に応じて適切な保護ができるように禁止できる個別の権利(支分権)を定め、支分権の束として構成されており、支分権ごとに譲渡可能です。
 著作権者の許諾なく著作物を複製、上演、公衆送信等の行為をした者は、著作権の侵害となり、民事責任(差止請求、損害賠償請求等)を負うほか、刑事罰(懲役、罰金)の対象となります。
 ただし、著作権者と第三者の利益等を比較考量して一定の場合には著作権者の許諾なく著作物の利用ができて著作権の侵害とはならない著作権の制限(後記2項)が設定されています。
 著作権の内容を以下に説明します。

(1) 複製権

 著作物の複製物の作成に関する権利であり、著作物の複製を禁止する権利です。
 複製とは、印刷、写真、複写、録音、録画等により有形的に再製する行為であり、次の行為も含みます。

① 脚本等の演劇用著作物の場合は、その著作物を上演、放送・有線放送を録音・録画すること

② 建築の著作物の場合は、建築図面に従って建築物を完成すること


 コピー機による機械的複製、図書の文章の書き写し、絵画の模写などが該当します。
 有形的再生は、紙等への固定に限られず、ハードディスク等の記録媒体等に信号として固定する場合も含みます。
 複製には、多少の修正等がされていても、表現が同一性の範囲と判断されるものも含まれます。

(2) 上演権、演奏権

 この上演権、演奏権乃至(6)演奏権までの権利は、著作物の公衆への提示に関する権利となり、上映、演奏等の行為の対象が必要となります。
 上演権、演奏権は、著作物を公衆に直接見せ/聞かせることを目的に上演、演奏することを禁止する行為です。
 上演の対象となる著作物の典型はドラマ等の台本が該当し、演奏の対象となる著作物は音楽(歌詞や楽曲)が該当します。
 上演には、演劇的なものではなく例えば講談、落語等も該当します。
 上演・演奏には、録音・録画されたものの再生も含みます。
 「公衆」は、多数であれば(不特定ではなく)特定の者も含みます。 公衆に対する演奏等とは、一般的には駅前広場に集まった多数の不特定者を対象としたものが想定されますが、著作権法における公衆は、例えば、ビルの小さな一室のコンサート会場にチケットを購入して入場した聴衆は特定者となり、そのような特定聴衆に対する演奏等も禁止されます。
 なお、音楽教室で例えば音楽教師が受講料を支払って受講している生徒に向けて演奏する行為において、受講する生徒が特定者に該当し、著作者の許諾が必要となるか否かが争点となる裁判が提起されていましたが、最高裁により許諾を得る必要があるとの判決を出されました(2022年10月24日)。

(3) 上映権

 映画に限らず著作物全般について公に上映することを禁止する権利です。
 上映とは、映写幕等に映写することであり、パソコンのディスプレーに提示すること、映画のサウンドトラック音楽の再生も含みます。

(4) 公衆送信権等

 著作物を公衆送信により受信機を用いて公に伝達することを禁止する権利です。
 公衆送信には、放送・有線放送・自動公衆送信(インターネット等のオンデマンド放送等)が含まれます。
 さらに、自動公衆送信には、インターネット上のサーバーに著作物のデジタル情報をアップロードすること(送信可能化)も含まれます。
 なお、著作権者が他人に放送又は有線放送についての利用権を許諾したときは、別段の定めがない限り、その著作物の録音・録画の許諾は含まないものとされます。

(5) 口述権

 言語の著作物を公に口述することを禁止する権利です。
 口述には、口述で録音された著作物の再生も含みます。対象となる著作物は主として小説、詩歌、論文などです。

(6) 展示権

 美術未発行の写真の著作物の「原作品」により公に展示することを禁止する権利です。
 版画、鋳型による彫刻等のように同一物が複数存在する場合は、すべて原作品となります(作花文雄著「著作権法 制度と政策 第3版」社団法人発明協会、2008年4月30日)。
印画紙に印刷された写真は同様にそれらがすべて原作品となるが、未発行のもののみが禁止の対象となります。

(7) 頒布権

 この頒布権乃至(9)貸与権までの権利は、複製物等を介する著作物の利用に関する権利であり、複製物の流通、取引を著作者(著作権者)の管理、支配下におくことを目的とするものです。
 頒布権は、映画の著作物の複製物公衆に譲渡・貸与することを禁止する権利です(映画以外の著作物は譲渡権・貸与権が付与されていることにより保護されています)。
 頒布権の範囲には、公衆に該当しない特定者に限定した場合でも公衆への提示を目的として譲渡・貸与する行為も含まれ、1本の映画フィルムであっても対象となります。
 なお、映画の著作物において複製されている著作物(例えば、映画音楽や美術作品)の複製物の著作者も映画の頒布権を有します。

(8) 譲渡権

 映画を除く著作物の原作品・複製物を公衆に譲渡することを禁止する権利です。映画は頒布権により保護されているためです。
 なお、譲渡権者等により適法に譲渡された原作品・複製物には、以後の譲渡には譲渡権は及びません(譲渡権の消尽)。 ただし、いわゆる還流レコードについて、それを知りながら頒布目的の輸入等の行為は、消尽の原則の例外として侵害とみなされます(後記「みなし侵害の『(9)還流レコードであることを知って、国内頒布目的で、還流レコードを輸入、頒布、所持する行為』」参照)。
 また、譲渡した原作品・複製物が侵害品(いわゆる海賊版)であった場合でも、過失なくそれを知らずに(いわゆる「善意・無過失」で)譲渡した場合には、譲渡権は及びません(後記「みなし侵害の『(2)侵害複製物の頒布・頒布目的所持』」参照)。

(9) 貸与権

 映画を除く著作物の複製物を貸与により公衆に提供することを禁止する権利です。映画は頒布権により保護されているためです。

(10) 翻訳権、翻案権等

 この翻訳権、翻案権等及び(11)二次的著作物の利用権は、著作物の二次的利用に関する権利です。  翻訳権、翻案権等は、著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、翻案等することを禁止する権利です。

(11) 二次的著作物の利用権

 翻案等により原著作物に新たな創作が付加された二次的著作物を複製等による利用する禁止する権利であり、原著作者以外の者は原著作者の許諾を得なければ二次的著作物に対して複製等の利用ができません。
 例えば、文学作品の著作物を映画化された映画を上映する場合は、その原作品である文学作品の著作者の許諾を得る必要がある。なお、映画製作者は、文学作品の著作物を映画化する時点においては、その文学作品の著作物の映画化について許諾を得る必要があります。


ページトップへ戻る

2.著作権の制限

 著作権者以外の者が著作者(著作権者)の許諾を得ずに著作物を利用できる行為は以下のとおりです。

(1) 個人的、家庭内等の限定された範囲内での利用

 複製、翻訳・編曲・変形・翻案等が対象として、原則として、個人的、家庭内等の利用の場合には、著作権書の許諾が不要となります。
 ただし、以下の複製は、除外されます。

① 公衆提供自動複製機器による複製(レコードやビデオレンタル店等の音楽・ビデオ等の店頭ダビングに限定)
 ただし、スーパーやコンビニに設置されている文書・図面等専用複写機器による私的使用目的の複製は、特例により当分の間、許諾なく自由利用が可能となっています(本ウエブサイト投稿時点)。

② コピープロテクション等回避装置による複製

③ 違法著作物であることを知りながら音楽・映像をインターネット上からダウンロード

④ 映画館等での私的使用目的の映画の盗撮(録画・録音)
 盗撮の横行を防止するため、著作権法ではなく「映画の盗撮の防止に関する法律」に規定されたものです。

 なお、私的録音・録画装置のうち、政令で定めるデジタル方式の機器・記録媒体について著作権者へ補償金を支払う制度(私的録音録画補償金制度)が設けられています。

【私的録音録画補償金制度の概要】

・趣旨・・・私的複写は許諾なく行えることとなりましたが、音質・画質の劣化のないデジタル録音・録音機器等の普及による著作権者が受ける不利益を補償すべく導入されました。

・支払い対象機器・記録媒体
  録音機器・記録媒体・・・DAT, DCC, MD, CD-R
  録画機器・記録媒体・・・DVCR, D-VHS, MVdisk, CVD-R, DVD-RAM, Blu-ray

・補償金の請求、分配方法・・・集中管理方式を採用
 利用の都度、個々の利用者が個々の権利者に支払うことは現実的に困難であることから、文化庁長官指定の管理団体が、個々の利用者が機器・媒体を購入する際に、製造業者・販売業者を介して所定の方法により算出された補償額を請求、受領し、所定の方法・金額で著作権者団体等に分配することしています。
 なお、私的録音録画機器補償金を支払ったデジタル録音録画機器ユーザーは、使用した機器等が専ら私的録音録画以外に使用したものであること証明して、支払った補償金の返還を請求することができます。


(2) 付随対象著作物の利用

 いわゆる「写り込み」の場合の著作物の利用であり、事物・音に係る「付随対象著作物」について一定の範囲の利用について許諾が不要となります。

 付随対象著作物とは、「複製伝達行為」を行う際に、その対象とする事物・音(「複製伝達対象事物等」)に付随して対象となる事物・音(「付随対象事物等」)に係る著作物をいいます。
 複製伝達行為とは、写真の撮影、録音、録画、放送その他これらと同様に事物の影像又は音を複製し、又は複製を伴うことなく伝達する行為をいいます。
 従来、写り込みの対象となる付随対象物は、対象が写真撮影・録音・録画であり、著作物の創作を目的として主たる被写体と分離困難であることが必要でしたが、令和2年法改正により、許諾不要な対象範囲が下記①〜③のとおり拡大されました。
 また、付随対象著作物に該当するとして利用されたものは、いずれの方法によるかを問わず、利用することができます。したがって、例えば付随対象著作物を一部に含む写真等(複製伝達事物等)をさらに複製等することもできます。

① 対象行為が複製に限らず、伝達行為全般
 スクリーンショット、生配信、CG化も含まれます。

② 行為の目的が著作物の創作に限らず無制限
 固定カメラによる撮影、スクリーンショットなどによる創作性のない複製等も許容されます。

③ 付随対象著作物が主たる被写体と分離困難でないもの
 例えば、子供にぬいぐるみを抱かせて写真撮影する場合なども許容されます。


 ただし、付随対象著作物の利用には下記の制限があります。

④ 付随対象著作物の占める割合、作成伝達物における付随対象著作物の再製の精度その他の要素に照らし作成伝達物において付随対象著作物が軽微な構成部分となること

⑤ 付随対象著作物の種類・用途、複製の態様に照らしその著作者の利益を不当に害しないこと


(3) 教育・学習目的等の利用

 教師等、生徒等が授業で使用するための複製、翻訳・編曲・変形・翻案等ができます。
ただし、授業と関係ない自宅学習等の複製等は除外となります。

(4) 許諾等の検討の過程における利用

 必要と認められる限度において、対象著作物を利用できます。
ただし、対象著作物の種類、用途、利用の形態に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は除きます。

(5) 著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用

 以下に掲げる場合等には、必要と認められる限度において対象著作物を利用できます。

① 著作物の録音、録画その他の利用に係る技術の開発又は実用化の試験に供する場合

② 情報解析の用に供する場合

③ 著作物の表現についての人の知覚による認識を伴うことなく対象著作物を電子計算機による情報処理の過程における利用等に供する場合

 ただし、対象著作物の種類、用途、利用の形態に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は除きます。

(6) 図書館等での利用

 国立国会図書館、図書・記録・資料等を公衆の利用に供することを目的とする図書館等において、以下の場合には、営利を目的としない事業としての利用であれば、著作物を複製できます。

① 利用者の求めに応じ、その調査研究のために、公表された著作物の一部分の複製物を一人につき一部提供する場合

② 図書館資料の保存のために必要がある場合

③ 他の図書館の求めに応じ、絶版等により一般に入手が困難な図書館資料の複製物を提供する場合


 なお、国会図書館は、資料の原本を公衆の利用に供することによる滅失、損傷、汚損等を避けるために原本に代えて公衆の利用に供するため、又は絶版等資料に係る著作物を自動送信のため、電磁的記録を作成する場合は、必要と認められる限度において、対象著作物を記録媒体に記録できます。

(7) 引用

 公表された著作物は、引用して利用することができます。
 引用は、公正な慣行に合致し、かつ、報道、批判、研究等の目的上正当な範囲内で行い、かつ引用する著作物の出所を明示しなければなりません。
 明示は、著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により行わなければなりません。
 ただし、国、地方公共団体の機関等が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書等は、禁止する旨の表示がある場合を除き、説明の材料として新聞紙、雑誌等に転載することができます。

(8) 教科用図書等への掲載

 公表された著作物は、学校の目的上必要と認められる限度において、教科用図書等に掲載することができます。
ただし、著作者へその旨を通知し、著作権者へ補償金(著作物の種類・用途、通常の使用料の額等を考慮して文化庁長官が定める算出方法により算出した額)を支払うことが必要です。

(9) 教科用図書代替教材の掲載

 教科用図書に掲載された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書代替教材に掲載し、教科用図書代替教材の使用に伴って利用することができます。
ただし、事前に教科用図書発行者にその旨を通知し、かつ補償金(著作物の利用の態様及び利用状況、教科用図書等への掲載の場合の補償金の額等を考慮して文化庁長官が定める算出方法により算出した額)を著作権者に支払うことが必要です。

(10) 教科用拡大図書作成目的の複製

 教科用図書に掲載された著作物は、視覚障害、発達障害等の障害により教科用図書に掲載された著作物を使用することが困難な児童・生徒の学習の用に供するため、その教科用図書に用いられている文字、図形等の拡大等の児童・生徒がその著作物を使用するために必要な方式により複製することができます。
ただし、事前に教科用図書発行者にその旨を通知し、かつ営利目的の場合は補償金(教科用図書等への掲載の場合の補償金の額に準じて文化庁長官が定める算出方法により算出した額)を著作権者に支払うことが必要です。

(11) 学校教育番組の放送等

 公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、所定の学校向けの放送番組又は有線放送番組において放送、有線放送、その放送を受信して同時に専らその放送対象地域において受信されることを目的に自動公衆送信を行い、及びその放送・有線放送の番組用の教材に掲載することができます。
ただし、その旨を著作権者に通知し、相当な額の補償金を著作権者に支払うことが必要です。

(12) 学校等教育機関での複製等

 学校等の教育機関で教育の担任者、授業を受ける者は、その授業の過程における利用に供することを目的にする場合は、必要と認められる限度において、公表された著作物の複製・公衆自動送信、公表された著作物であって公衆送信されたものを受信装置を用いて公に伝達することを行うことができます。
ただし、著作物の種類、用途、複製の部数、複製・公衆送信・伝達の態様に照らし著作権者の利益を不当に害する異なる場合は除外となります。
 公衆送信を行う場合は、それを行う教育機関設定者は相当な額の補償金を支払う必要があるが、授業の過程において、授業を直接受ける者に対して著作物の原作品・複製物を提供・提示して利用する場合、非営利目的で上演・演奏・上映・口述して利用する場合において、授業が行われる場所以外の場所で同時にその授業を受ける者に対して公衆送信を行うときには、補償金を支払う必要はありません。

(13) 試験問題としての利用

 公表された著作物は、入学試験等の他人の学識技能に関する試験、検定の目的上必要と認められる限度において、試験・検定の問題として複製、公衆送信を行うことができます。
ただし、著作物の種類・用途、公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は除外されます。
 営利目的で複製・公衆送信を行う場合は、通常の使用料額相当額の補償金を著作権者に支払う必要があります。

(14) 視覚障害者等のための複製等

 公表された著作物は、①点字による複製、②電子計算機を用いて点字を処理する方式によって、記録媒体への記録又は公衆通信、を行うことができます。
 視覚障害者等の福祉の関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された視覚著作物(視覚によりその表現が認識される方式(視覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含みます))について、視覚障害者等が必要と認められる限度において、文字を音声にするなど必要な方式により、複製又は自動送信することができます。
 ただし、その視覚著作物について、著作権者等によりその方式による公衆への提供・提示が行われているときは除外されます。

(15) 聴覚障害者のための複製等

 聴覚障害者等の福祉の関する事業を行う者で政令で定めるものは、公表された聴覚著作物(聴覚によりその表現が認識される方式(聴覚及び他の知覚により認識される方式を含む。)により公衆に提供され、又は提示されているもの(当該著作物以外の著作物で、当該著作物において複製されているものその他当該著作物と一体として公衆に提供され、又は提示されているものを含む。))について、聴覚障害者等が必要と認められる限度において、文字を音声にするなど必要な方式により、複製又は自動送信することができます。
ただし、その聴覚著作物について、著作権者等によりその方式による公衆への提供・提示が行われているときは除外されます。

(16) 非営利目的の上映等

① 営利を目的とせず、聴衆又は観衆から料金を受けない場合は、以下の行為を行うことができます。

(a) 公表された著作物を公に上演し、演奏し、上映し、又は口述すること
 ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、除外されます。

(b) 放送される著作物を、有線放送し、又は地域限定特定入力型自動公衆送信を行うこと

(c) 放送され、有線放送され、特定入力型自動公衆送信が行われ、又は放送同時配信等(放送又は有線放送が終了した後に開始されるものを除く。)が行われる著作物を、受信装置を用いて公に伝達すること(通常の家庭用受信装置を用いてする場合も含む)

(d) 公表された著作物(映画の著作物を除く。)を、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供すること

② 映画フィルムその他の視聴覚資料を公衆の利用に供することを目的とする視聴覚教育施設等(営利を目的として設置されているものを除く。)で政令で定めるもの及び聴覚障害者等の福祉に関する事業を行う者で前条の政令で定めるもの(専ら当該聴覚障害者等向けの貸出しの用に供するために音声を文字等に変換する複製に限り、営利を目的として当該事業を行うものを除く。)は、公表された映画の著作物を、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物の貸与により頒布することができます。
 ただし、頒布を行う者は、その映画の著作物等の頒布権者等に相当な額の補償金を支払う必要があります。

(17) 時事問題に関する論説の転載等

 新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものを除く。)は、利用禁止の表示がなければ、他の新聞紙若しくは雑誌に転載し、放送し、有線放送し、地域限定特定入力型自動公衆送信を行い、放送同時配信等を行うことができ、また、放送等された論説は受信装置を用いて公に伝達することできます。
 ただし、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、除外されます。

(18) 政治上の演説等の利用

 公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行う審判その他裁判に準ずる手続を含む。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、利用することができます。

(19) 時事事件報道目的の利用

 写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができます。

(20) 裁判手続等における利用

 著作物は、裁判手続のために必要と認められる場合及び立法又は行政の目的のために内部資料として必要と認められる場合には、その必要と認められる限度において、複製することができます。
 ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外されます。
 行政庁等が行う審査等の手続も同様であり、例えば、特許庁で行われる特許等に関する審査の手続において、審査に必要な先行技術文献等としての著作物を複製することができます。

(21) 情報公開法等による開示目的の利用

 行政機関の長等は、行政機関情報公開法、情報公開条例等の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、法令等に規定する方法により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができます。

(22) 公文書管理法等による保存等目的の利用

 国立公文書館等の長は、公文書管理法又は公文書管理条例の規定により歴史公文書等を保存することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、当該歴史公文書等に係る著作物を複製でき、また公衆に提供・提示することを目的として、必要と認められる限度において利用することができます。

(23) 国立国会図書館法によるインターネット資料・オンライン資料収集目的の複製

 国立国会図書館の館長は、インターネット資料、オンライン資料を収集するために必要と認められる限度において、当該インターネット資料等に係る著作物を国立国会図書館の使用に係る記録媒体に記録することができます。
また、国立国会図書館の求めに応じてインターネット資料等を提供する場合には、必要と認められる限度において、複製することができます。

(24) 放送授業者等の一時的固定

 放送事業者は、公衆送信権者を害することなく放送し、又は放送同時配信等することができる著作物を、自己の放送又は放送同時配信等のために、自己の手段又は当該著作物を同じく放送し、若しくは放送同時配信等することができる他の放送事業者の手段により、一時的に録音し、又は録画することができます(有線放送事業者、有線同時配信事業者等も同様)。
ただし、録音物又は録画物は、録音又は録画の後六月(その期間内に当該録音物又は録画物を用いてする放送、有線放送又は放送同時配信等があつたときは、政令で定める場合を除き、その放送、有線放送又は放送同時配信等の後六月)を超えて保存することはできません。

(25) 美術著作物等の原作品所有者による展示

 美術の著作物若しくは写真の著作物の原作品の所有者又はその同意を得た者は、これらの著作物をその原作品により公に展示することができます。
ただし、美術の著作物の原作品を街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所又は建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、除外されます。
したがって、例えば、彫刻製の像等の所有者は、原作品を美術館等に展示する場合は著作者(著作権者)に無断で行うことができるが、公園等に設置する場合には著作者の許諾が必要となります。

(26) 公開の美術著作物等の利用

 美術の著作物でその原作品が屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、複製や複製物の譲渡等に相当する行為を除き、利用することができます。
したがって、例えば、(著作者の許諾を得て)公園に設置された彫刻製物像は写真撮影することができるが、その物像を複製(増製)、複製物の販売することはできません。
 なお、自由利用の対象とされているのは美術の著作物のみであり、写真(の原作品)は対象ではないため、例えば、ビルの外壁に展示されている写真を撮影する場合は注意する必要があります。 すなわち、撮影された写真が外壁写真著作物の複製の個人的利用等、又は外壁写真著作物が撮影された写真の写り込みとしての自由利用の範囲内とならなければ、外壁写真著作者の許諾が必要となります。

(27) 美術著作物等の展示に伴う複製等

 美術の著作物又は写真の著作物の原作品の展示者は、観覧者のためにこれらの展示著作物の解説若しくは紹介をすることを目的とする小冊子に当該展示著作物を掲載し、上映し、自動公衆送信を行うために必要と認められる限度において、当該展示著作物を複製することができ、また、展示著作物の解説を目的として、必要と認められる限度で展示著作物を上映し、自動公衆送信することができ、さらに、展示著作物の所在に関する情報を公衆に提供するために必要と認められる限度において、当該展示著作物について複製し、又は公衆送信を行うことができます。
 ただし、当該展示著作物の種類及び用途並びに当該複製等の部数や態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外されます。

(28) 美術著作物等の譲渡等の申出に伴う複製

 美術の著作物又は写真の著作物の原作品・複製物の所有者は、その原作品・複製物を譲渡し、又は貸与しようとする場合には、その申出の用に供するため、これらの著作物について、複製又は公衆送信を行うことができます。
 ただし、当該複製により作成される複製物を用いて行うこれらの著作物の複製又は当該公衆送信を受信して行うこれらの著作物の複製を防止し、又は抑止するための措置その他の著作権者の利益を不当に害しないための措置として政令で定める措置を講じて行うことを条件とされます。

(29) プログラム著作物の複製物所有者による複製等

 プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において実行するために必要と認められる限度において、当該著作物を複製することができます。
 ただし、プログラム著作物の複製物の所有者は、その複製物又はそれから作成された複製物のいずれかが滅失以外の事由により所有権を有しなくなった後は、著作権者の別段の意思表示がなければ、その他の複製物を保存することはできません。

(30) 電子計算機における著作物利用に付随する利用等

 電子計算機における利用に供される著作物は、以下に例示される場合等には、その必要と認められる限度において、利用することができます。
 ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外されます。

① 当該著作物の電子計算機における利用を円滑又は効率的に行うために当該電子計算機における利用に付随する利用に供することを目的とする場合

(a) 電子計算機でプログラムを実行する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされるプログラムを当該送信を受信して実行する場合において、これらの実行のための当該電子計算機による情報処理の過程において、当該情報処理を円滑又は効率的に行うために当該プログラムを当該電子計算機の記録媒体に記録するとき

(b) 自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該他人の自動公衆送信の遅滞若しくは障害を防止し、又は送信可能化された著作物の自動公衆送信を中継するための送信を効率的に行うために、これらの自動公衆送信のために送信可能化された著作物を記録媒体に記録する場合

(c) 情報通信の技術を利用する方法により情報を提供する場合において、当該提供を円滑又は効率的に行うための準備に必要な電子計算機による情報処理を行うことを目的として記録媒体への記録又は翻案を行うとき

② 当該著作物の電子計算機における利用を行うことができる状態を維持し、又は当該状態に回復することを目的とする場合

(a) 記録媒体を内蔵する機器の保守又は修理を行うために当該機器の内蔵記録媒体に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該保守又は修理の後に、当該内蔵記録媒体に記録する場合

(b) 記録媒体を内蔵する機器をこれと同様の機能を有する機器と交換するためにその内蔵記録媒体に記録されている著作物を当該内蔵記録媒体以外の記録媒体に一時的に記録し、及び当該同様の機能を有する機器の内蔵記録媒体に記録する場合

(c) 自動公衆送信装置を他人の自動公衆送信の用に供することを業として行う者が、当該自動公衆送信装置により送信可能化された著作物の複製物が滅失し、又は毀損した場合の復旧の用に供するために当該著作物を記録媒体に記録するとき

(31) 電子計算機における情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等

① 電子計算機を用いた情報処理により新たな知見又は情報を創出することによつて著作物の利用の促進に資する以下に掲げる行為を行う者は、公衆への提供等が行われた著作物(「公衆提供等著作物」)について、列挙された行為の目的上必要と認められる限度において、行為に付随して、軽微利用(その公衆提供等著作物のうちその利用に供される部分の占める割合、その利用に供される部分の量、その利用に供される際の表示の精度その他の要素に照らし軽微なものに限ります。)を行うことができます。
 ただし、当該公衆提供等著作物に係る公衆への提供等が著作権を侵害するものであることを知りながら軽微利用を行う場合その他当該公衆提供等著作物の種類及び用途並びに当該軽微利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外されます。

(a) 電子計算機を用いて、検索情報が記録された著作物の題号又は著作者名、送信可能化された検索情報に係る送信元識別符号その他の検索情報の特定又は所在に関する情報を検索し、及びその結果を提供すること

(b) 電子計算機による情報解析を行い、及びその結果を提供すること

(c) 電子計算機による情報処理により、新たな知見又は情報を創出し、及びその結果を提供する行為であつて、国民生活の利便性の向上に寄与するものとして政令で定めるもの

② 上記①列挙の行為の準備を行う者は、公衆提供等著作物について、軽微利用の準備のために必要と認められる限度において、複製若しくは公衆送信を行い、又はその複製物による頒布を行うことができます。
 ただし、公衆提供等著作物の種類及び用途並びに当該複製又は頒布の部数及び当該複製、公衆送信又は頒布の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、除外されます。

(32) 翻訳、翻案等による利用

 以下の各項目の行為により著作物を利用することができる場合には、その著作物について、各項目に列挙した方法による利用をを行うことができます。

(a) 私的使用のための複製(デジタル録音・録画機器のよる録音。録画を除く)、教科用図書への掲載、学校教育番組の放送、学校その他の教育機関における複製等、電子計算機における情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等の(2)のみ ・・・翻訳、編曲、変形、翻案

(b) 付随対象著作物の利用、プログラム著作物の複製物の所有者による複製等・・・翻訳

(c) 図書館等における複製等、引用、試験問題としての複製等、視覚障害者等のための複製等、時事問題に関する論説の転載等、政治上の演説等の利用、時事の事件の報道等のための利用、裁判手続等における複製・・・変形、翻案

(d) 教科用図書代替教材への掲載等、教科用拡大図書等の作成のための複製等、美術の著作物等の展示に伴う複製等・・・翻訳、変形、翻案

(e) 視覚障害者等のための複製等・・・翻訳、翻案

(f) 聴覚障害者等のための複製等・・・翻案


 なお、翻案等の場合には、原著作物の一部を改変することから、著作者人格権の同一性保持権の制限規定との関係が問題となります。具体的には、前記「著作者人格権『同一性保持権』」をご参照ください。


ページトップへ戻る

3.著作権の存続期間

(1) 始期

 著作物の創作時。

(2) 満了時

① 実名、周知の変名の場合
 著作者(共同著作物は最終に死亡した著作者)の死後70年を経過した時

② 無名・(周知でない)変名の場合
 著作物の公表後70年を経過した時
 ただし、著作物の公表後70年経過前にその著作者の死後70年を経過した時と認められる時は、その時に著作権は消滅したものとされます。

③ 団体名義、映画の著作物の場合
 著作物の公表後70年を経過した時
 ただし、著作物が創作後70年以内に公表されなかったときは、その創作後70年が経過した時に著作権は消滅します。
 なお、映画の著作物の著作権が存続期間の満了により消滅したときは、その映画の著作物の利用に関する原著作物の著作権は、その映画の著作物の著作物とともに消滅したものとされます。
例えば、その映画に利用されている脚本が映画の著作権の存続満了後も存続している場合は、その映画の利用に関しては、脚本(原著作物)の著作権は消滅します。


 なお、新聞や雑誌などのように冊、号、回を追って公表する著作物(継続的刊行物)についての公表の時は、毎冊、毎号、毎回の時によって保護期間を計算するものとします。
 また、文学全集などのように一部分ずつを逐次公表して完成する著作物(逐次刊行物)についての公表の時は、最終部分の公表の時によって保護期間を計算するものととします。 ただし、逐次刊行物については、継続すべき部分が直近の公表の時から3年経過後も公表されないときは、既に公表されたもののうちの最終部分の公表の時として保護期間を計算するものとします。


 存続期間の満了時を計算するときは、著作者の死亡した日又は著作物の公表日・創作日のそれぞれ属する年の翌年から起算します。
 したがって、例えば著作者が1953年3月15日に死亡した場合には、その翌年1954年1月1日0時00分から起算して70年(2023年12月31日)が経過した時点(2024年1月1日0時00分)で著作権が消滅し、自由に複製等を行うことができるようになります。


ページトップへ戻る

ホーム参考情報著作権とは >著作権(著作財産権)